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HRT(ホルモン補充療法)

女性ホルモン、特に卵胞ホルモン(エストロゲン)は、年齢とともに減少するので増加することはありません。だから補う必要があるのです。

HRT(Hormone Replacement Therapy)について

卵胞ホルモン(エストロゲン)の減少によって、様々な症状を引き起こすことは「更年期について」で説明させていただきました。減少した卵胞ホルモン(エストロゲン)は残念ながら年齢とともに減少する一方なので、元気でイキイキ、病気になりにくい身体になるためには補充するしかありません。
HRTは、身体内に不足していた卵胞ホルモン(エストロゲン)を貼り薬、飲み薬や塗り薬によって補充する療法です。

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HRTのメリット

  • ホットフラッシュ(のぼせ、ほてり、多汗)、動悸、知覚異常など、自律神経系の不調を改善します。
  • 血管壁を柔軟にし、体内で悪玉コレステロールの分解と排泄を促します。善玉コレステロールの合成を促して脂質異常症を予防します。
  • 骨を破壊する細胞(破骨細胞)の生成を抑えて骨量増加を促し、骨粗しょう症を予防します。
  • 皮膚の真皮層にコラーゲンやエラスチンを増やし、肌の張りや潤い、柔軟性を保ちます。
    また、膣など粘膜の乾燥や痛みを改善します。
  • 脳内神経伝達物質セロトニンやノルアドレナリンの代謝を抑え、これらの正常な働きを守ります。セロトニンの減少によるイライラ、無気力、集中力欠如、脱力感、不安感、不眠、頭痛などを改善します。
  • 関節(肘、膝、肩、指、顎、腰、脊椎、股関節…)などの軟骨の代謝にも良い影響を与えます。
  • 物忘れ、認知症、アルツハイマーを予防します。
  • 抗酸化作用を持ち、心臓血管系疾患のリスクを下げます。
  • 大腸がん、肺がん、子宮体がんのリスクを下げます。

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HRTの投与法

HRTは、エストロゲンと黄体ホルモン(プロゲステロン)の2種類を併用するのが基本です。
子宮がある(または子宮を摘出している)、閉経から何年経っているかなど、それぞれの状況によってHRTの投与法は変わってきます。

 

1.エストロゲン単独投与法

  • エストロゲンのみを投与します。
    子宮筋腫や子宮内膜症などで子宮をとってしまった人に用いられる方法です。

 

2.エストロゲン・黄体ホルモン周期的投与法

  • エストロゲン、黄体ホルモンともに周期的に投与する方法です。
  • 当クリニックのHRTは、もっとも自然な生理学的治療法(正常な人のホルモン分泌パターンと同様)として、この方法を約95%の割合で採用しています。

 

3.エストロゲン連続・黄体ホルモン周期的投与法

  • エストロゲンを毎日、黄体ホルモンを1ヶ月のうち10〜14日投与します。
  • 休薬すると激しい悪化がみられる場合には、この方法を採用します。

 

4.エストロゲン・黄体ホルモン連続的投与法

  • エストロゲン・黄体ホルモンとも毎日投与します。閉経からかなり年数が経ってる人向けです。

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HRTができない時

乳がん、子宮体がん、血栓症にかかってる人、過去にかかっていた人は原則としてHRTを受けられません。ヘビースモーカーの人も血栓ができやすくなるため受けることはできません。また子宮筋腫、糖尿病、高血圧、肝機能・腎機能障害、胆のう疾患がある場合には、投与方法や投与量を工夫しながら行います。
それ以外の人は、これまでにかかった病気や体質に関係なく、HRTを受けることができます。

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がんを心配してHRTをためらう必要はありません。

HRTを受けると、乳がんになりやすいと言われてますが本当なのでしょうか?

HRTの副作用はどうなのか、とりわけ、乳がんに対する不安がもっとも大きく、悩んでる女性が多くいらっしゃると思われます。

では実際はどうなのでしょうか。
これまでの報告では、何も治療を受けてない女性が自然発生的に乳がんになる率は、およそ600人に1人くらいです。この率は、10年間HRTを受けてもほとんど変わらないと考えられています。しかしさらに長期(10年以上)にわたってHRTを受けている人では、乳がんになる率は若干増加して、およそ600人に1.3人が乳がんになると報告されてます。このことは、裏をかえせば10年以上HRTを受けても、600人のうち598.7人は乳がんにならないことを示しています。

一方、HRTは全身に作用して、多くの福音を女性にもたらします。さらに10年間HRTを受けた女性は、子宮がん、大腸がん、肺がんなどになりにくく、さらに骨粗鬆症による骨折率を半分に減らし、ボケを防いでくれます。また、閉経後の女性のおよそ半数以上の方が悪玉コレステロールが減って動脈硬化にもとづく虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)や脳血管障害(脳血栓、脳出血)で死亡するわけですが、HRTはその危険率を半分に減らし、その結果、元気で生活できる期間を延ばしてくれます。ですから、「若干乳がんになりやすい」という短所と引き換えにこれらの長所を捨ててしまうのはもったいない話です。

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当クリニックの方針

  • HRTを始めるとともに、当クリニックと提携している乳腺専門外来の病院にて、乳がん検査を受けていただくことになっています。
  • HRTを始めてから、遅くとも2ヶ月以内に乳がん検査を受けていただきます。
  • その後、正常な人については少なくとも半年〜1年毎に定期的に乳がん検査を受けていただきます。
  • 血管系(動脈硬化、血管年齢)についてもご希望の方に定期的検査でケアをしてまいります。

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更年期症状のHRTをおこなってきて

今まで13〜14年HRTをおこなってきました。1ヶ月に平均して400人ほどの患者様を診ておりますが、その中で明らかに長期のホルモン療法によって発症したと思われる乳がんは一例もありませんでした。
HRTを始める最初の検査で乳がんが見つかった方は4人ぐらいいらっしゃいました。
このことはHRTを受けるという動機が乳がんの発見につながったということです。
更年期の症状なのにつらい症状で精神科、整形外科、内科、眼科、耳鼻科に行っても原因不明なために、過剰検査と不適切な治療で一向に改善されない多くの患者様をHRTで改善する症例が多いと実感しております。

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